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「世界最高の話し方」を読んだ感想・要約

目次

読んだきっかけ

私は、別の記事で記載した通り、ワーキングメモリの働きが非常に弱いです。ですので、話しをする時、ちょっと前まで話していた内容が、頭からすっぽ抜けることがよくあり、結果、相手にわかりやすく話ができていないと感じています。ですので、そういった課題を少しでも解決できるよう、この本を読んで見ました。

相手から情報を引き出す雑談・会話のルール

世界のエリートは「雑談」を非常に重要視しています。その理由としては、人間の記憶において、「何を話したか」は忘れても「何を感じたか」は一生残る為です。雑談はこの「印象・気持ち」を形作る「つかみ」の機会であり、「アピールタイム」なのです。その為、具体的な方法について、勉強になった部分を記載していきます。

相手が受け取りやすい球を投げる

「何か言えば伝わる」「たくさん話せばがんばったことになる」「専門的な知見から細かい内容を伝えれば尊敬される」、こういった認識は危険です。

人は自分が聞きたい情報だけを受け入れる生き物です。正しいこと、ファクトを振りかざしても人の心は動きません。これは、心理学でいう「確証バイアス」と呼ばれる現象で、人間には「自分の考えを支持する情報ばかりを集め、それに反する情報を無視する」傾向があります。ですので、「相手が興味のある情報」でなければ受け止めてもらえないのです。

相手が受け取りやすい球を投げる為には、自分への執着やエゴを「手放し」、相手の心の扉を開ける為に、あなたというカギが「相手というカギ穴」に合わせるということが必要です。

相手から心と情報を引き出すテクニック

「自分を相手のカギ穴」に合わせ、心をつかみ、情報を引き出す為には、質問力が必要と記載がありました。そのテクニックは下記になります。

・質問力を高める為に「ど」から始まる質問をする(6W1H)
・質問(導入)→聞く(聞き返し)・質問(フォロー)→聞く(ギアチェンジ)→時々自分の話

質問をすることは、相手に興味・好意を持ってもらえているという認識をする人が多いようです。また自分の話はほどほどにしないと印象が悪くなるので、バランスが重要ですね。

相手が喜ぶ雑談ネタ

心理学者マズローは人間の根源的欲求には、「生理的(生命維持)」「安全(身の安全)」「社会的(所属と愛)」「承認(認められたい)」「自己実現」の5段階があると説きました。人間の興味や欲求のほとんどは、すべて自分に「関係」あるものです。ですので、下記のように、相手に関係のあるネタを出すと会話が弾みます。

・相手の身の回りにあり、親しみやすいこと
・相手の気になっている問題
・相手にとっての損得問題
・相手にとって役立つこと
・相手にとって個人的・社会的に影響があること

またよくニュースやブログネタになる、下記のネタについても、相手に関心を持ってもらいやすく、会話が弾むきっかけになります。

・最近のこと、流行り
・有名な人や企業
・困難をどうのりこえたか
・驚きや怒り、喜び等感情を呼び起こす話
・秘密やはじめて話すこと
・何か新しいこと、何かの増減

モチベーションを高める会話のルール

誰でもそうですが、一人では仕事はできません。かならず複数の利害関係者と連携を取りながら仕事を進めているかと思います。関係者とは円滑な人間関係を構築して、スムーズに仕事を進めたいですよね。そういった会話のルールについてまとめていきます。

会話の基本はほめること

真のエリートは「相手を育て・動かす一流のほめ方」を身につけており、それによって周りの人の心をわしづかみにしています。ほめることは、相手をいい気分にし、大いにエンパワーできるものなので、「ほめ力」はもっと活用し、「ほめ名人」になりたいですね。

4つの要素を含んだほめ方がポイント

一流のほめ方は、「承認」「共感」「賞賛」「感謝」の4つの組み合わせを入れるとよいそうです。

承認:相手の行動に気づき認める事
共感:相手の気持ちに同調し、肯定すること
賞賛:優れた点をほめること
感謝:ありがとうと礼をいうこと

具体的な例も明示してくれています。

承認:大口の契約取れたね!
共感:辛い思いをしたからうれしいね!わかるよ!
賞賛:お客様への気配りが素晴らしい、よくがんばった!
感謝:心からおめでとう!そしてありがとう!

ほめるときの一工夫

ただ「よかったですね」ですませるより、「さっきのプレゼン、エビデンスに説得力があったよ」というように、行動に焦点をあて、より具体的に評価することが重要です。その方が「あなたが相手を気にかけている」ことが伝わりますし、どういった行動が賞賛の対象になるのかを、相手側が学ぶことにもつながります。このポイントをこの本では、「す・ぐ・き」のおまじないとしています。

:(該当する行動の直後に)すぐほめる
:具体的にほめる
:気持ちを込めてほめる

ほめること叱ることの割合

部下がいる方の場合、ほめてばかりもいられません。時にはきちんと叱り、改善を促す必要があります。しかし、昨今「〇〇ハラ」などで批判されかねない為、叱ることが非常に難しくなっております。この点について、この本では、ほめること叱ることの割合には黄金比率があると述べています。

ポイント:1回叱ったら、6回ほめる

アメリカのコンサル会社の研究で科学的に証明されているようです。人によって、この割合は変動するかと思いますが、平均値をとると、このような結果になるのではないかと思います。

正しい叱り方とは?

人は自ら考え、気づきを得なければ、本質的に変わることはできません。相手の心に届く「建設的なネガティブフィートバック」(批判的な評価を伝え、改善を促す)でなければ、効果的ではありません。叱る時は、下記の4つの要素を盛り込むのがよいそうです。

・𠮟るべき事実
・なぜそれがだめなのか
・それについて自分はどう思うか
・解決策を提示させる

また、だめなことも述べられていました。

・説教:一方的に考えを押し付ける
・決めつけ:状況を踏まえて相手をラベリングする
・無関心:何のコミュニケーションもない

誰もが納得する説明のルール

私が最も知りたい部分に入ってきました。次は説明のルールについてです。私は、ポイントを押さえて端的に、体系的に話すのが苦手です。これは能力の問題もあると思いますが、それを言ってはおしまいなので、この本で述べられている下記の説明の秘訣を参考にしながらかみ砕いて解説をし、日常生活において実践してみたいと思います。

説明の秘訣
  • 話の順番を間違えない
  • いかにメッセージをパンチの効いた一言に絞り込めるか

説明するとき参考にする3つのロードマップ

説明には「正しい順番」があります。説明の場面では、話し手は、聞き手をゴールに導く「ガイド」となります。ですので、聞き手を迷子にしないことが大切になります。ではどうすればよいか。説明の順番にはパターンがあります。

3つのロジックロードマップ

①「なぜなら」型 (結論→理由→事例→結論)
②「3つあります」型 (結論→理由等1・2・3→結論)
③「お悩み解消」型 (結論→問題→原因→解決法→結論)

「なぜなら」型

言いたいことに「なぜならば」をくっつけると、どんな話でも意外と説得力をもたせられてしまうことが、研究でわかっております。お小遣いを上げてほしいとき、手伝ってほしいとき、商品をおすすめするとき、「なぜならば」と理由を添えてみるだけで説得力が格段に変わります。逆にいうと、理由がないと説得力が格段に落ちる事、また、理由の信憑性も、説得力に重要な影響を与えます。

「3つあります」型

「3つあります」は世界のリーダーやエグゼクティブの間でも多用されているようです。この3つというのは、多すぎず、少なすぎない、ちょうどいい「マジックナンバー」だそうです。この3つありますは、私もそうなのですが、話しているうちに、「今いくつまで話をしたっけ?」「2つ目は何を話せばよかったっけ?」と混乱してしまうため、要注意です。きちんと事前にメモしておくか、話す内容を整理しておいた方がよいです。

「お悩み解消」型

カルロス・ゴーン氏の専属スピーチライターをしていた一人のお話では「面白いプレゼンは基本的に『problem-Solution Fit』(問題-解決法)というフレームワークを使う」とのことでした。これは通販番組も多用する黄金のフレームワークだそうです。

キャッチ―な一言をつくる

言いたいことをより短く端的にし、相手に伝えることが重要です。ですので言いたいことを一言でまとめる癖つけることは、大変重要です。一言でまとめることは、雑誌や新聞記事に、タイトルや見出しをつけるようなものです。キャッチ―な一言を用意しておくことは、相手の直感的な理解を促進します。

𠮷野家:うまい、やすい、はやい
ニトリ:お、ねだん以上
ロッテ:お口の恋人

共感される話し方

現在のリモート時代においては、物理的な距離を乗り越えて、心の距離を縮めるコミュニケーションノウハウが、より重要になります。大切なのは「話がうまい」ではなく、「いかに人々の心に寄り添い、動かす」ことができるかです。

相手の感情のツボを押す

相手の感情に共感をしながら話のは、重要なことです。心理学で「好意の返報性」という言葉があり、人は「好意を見せてくれる人」に好意を抱くというものです。つまり、人は「自分に共感してくれる人」に共感するということです。下記のポイントを意識して、話しを組み立てていくと効果的です。

口癖:「そうだね」「大丈夫?」「わかるよ」
連帯感:共通の敵や課題をつくる
感嘆詞:相手の反応における感嘆詞の数が、感情のツボを押せているかのバロメーター。
ストーリー:物語性は感情のツボを押す

人間は、いくら文明が発達しても、「感情の奴隷」です。そして感情は伝播していきます。「バズる」「炎上する」というのはそういった感情の現れです。

30秒で語れるストーリーを作ってみる

人は誰でも、必ず「語るべきストーリー」を持っています。そういったものを話しに織り交ぜていくと、人々の感情のツボを押すことができるかもしれません。ストーリーに必要な要素は3つ。「Before」「After」「気づき(教訓)」です。「人生の転機や変身ストーリー」という最強コンテンツを発掘してみてください。

具体例

Before:恥ずかしがり屋、人前で話すのが苦手。劇団に入る。
After:ひたすら練習すると役に入り込み、人の視線が気にならなくなる。
気づき:恥ずかしさも限界を超えると麻痺する。慣れの問題と気づく。

人が動く説得のルール

単なる説明から、心を動かす「説得」にステップアップするためには、「言葉の力」をグレードアップさせなければいけません。「論理」と「感情」の両輪を使って、簡単に人を動かす「エモロジカル」な説得の具体的なノウハウが述べられています。

話の細部をイメージできるように

人生のたった一つの場面だけを切り取り、まるで映写機のように聞き手の脳に映し出す。単純に話を並べるのではなく、聞き手の脳にどのように話を投げ、刺激を与え、わかりやすくイメージしてもらえるかという観点で、話しをしていくとうまくいくと思います。

五感をくすぐる言葉で相手に絵を見せる

希薄性や細かいディティール描写が、話しを紙芝居のように、イメージしやすい状態にします。情景の浮かばない言葉の羅列は、退屈を有無だし、相手の士気を下げます。

【料理のタイトル】
・小豆島オリーブ牛のジュワッと肉汁あふれる特製煮込みハンバーグ
・フランス№1のトリュフオイル仕立てのカリカリポテトフライ

【貧乏だったエピソード】
私は(大学の)寮の部屋もなく、友達の部屋の床の上で寝起きしました。食べ物を買うためには、コカ・コーラの瓶を店に返し、5セントをかき集めたりもしました。温かい食べ物にありつこうと、毎週日曜日は7マイル先にあるクリシュナ寺院に歩いて通ったものです。(スティーブ・ジョブズのスピーチ抜粋)

具体的な数字を入れてより分かりやすく

数字は無機質なようで、実はとても「情緒的なパワー」をもっています。あえて細かい数字を入れると、伝えたいことや規模やインパクトがより強く伝わります。また数字を相対的に見せることで「すごく多い」、「非常に増えた」等、希少性や大きな変化等のイメージを強調し、感情を大きく動かすことができます。

✖ わが社はさまざまな事業を展開しています。
〇 スポーツクラブやレストランなど、健康増進にかかわる33の事業を展開しています。

✖ 売上が大幅にアップしました。
〇 売上は前年比98%増、ほぼ2倍の売上を達成しました。

【AよりBの方が多いように感じやすい】
A 最初ひと月の生存率は89%
B 最初ひと月の生存率は11%

話す対象を1段階絞りこむ

話す時、その対象の顔や中身が見えるかどうかで、人の想像力や共感が及ぶかどうかに差が出ます。ですので、できる範囲で対象を絞りこんで話してみると、より効果的に相手に伝わります。

✖ A社はスナック菓子を製造している
〇 A社は、あの誰で知っている有名なお菓子〇〇をせいぞうしている

✖ 皆様
〇 △△部の皆様

✖ 彼は家庭的な人
〇 彼は毎朝5時半に起き、家族4人分の弁当を作る。栄養バランスも気をつかい、弁当袋も手作り

比喩は最大の飛び道具

私はたとえ話が上手な人を尊敬します。語彙力が豊かなのか、頭の回転が速いのか、物事を構造的に理解している為、言語の置き換えスピードが速いのか。比喩は、脳を瞬間的に刺激する「説得の最強の飛び道具」です。

小池都知事:あふれんばかりのぜい肉をつけた巨大な肥満都市
孫正義:コロナの谷にユニコーンがどんどん落馬している

天使のような寝顔、氷のように冷たい等はインパクトに欠けるので、「誰も免疫を持っていない言葉」に転換するのが良いそうです。例えば「鉄のように固い意思」ではなく、「新幹線のアイスクリームのように固い意思」はどうでしょう?とこの本では例を挙げています。イメージに残りやすいかどうかの問題なのでしょう。

私個人的には理論は分かるので、どうすれば比喩表現が出てくるか、鍛錬方法が知りたかったです。(頭脳の問題か?)
この本では、事象の形状や特徴に当てはまる言葉を連想ゲームのように思い浮かべてみては、とアドバイスしています。

緊張なし、満足度100%のプレゼンルール

仕事柄、大勢の人の前で話すことも数多く経験してきました。緊張すると、どうしても細かな話し方や声や視線等まで制御できません。どのようにプレゼンをすることが、より評価を上げることができるのかについて、まとめてみました。

プライドを捨てて、恥さらしバカになる。

よりプレゼン上達を目指すのであれば、ただ説明するだけの「Informer」から、人の心を動かす「Performer」になる必要があります。その為には、一度「リミッター」を外し、居心地のいい空間「コンフォートゾーン」から飛び出さなければいけません。そして、プレゼンでは第一声が重要です。ありったけの声でプレゼンを始めることが、印象を高めることに繋がります。プレゼンは「冒頭30秒のインパクト」勝負です。

ポイント

・プライドを捨てて、恥さらしバカになる
・役になりきり、自分から意識を「離す」意識が大事
・何度も練習すると、そのセリフや動きが体に埋め込まれ、「筋肉メモリー」となる
・カッコつけるのをやめることがプレゼン上達の第一歩

聴衆とのつながり方

最初の挨拶の後は、十分に間をおいてみましょう。「挨拶」が返ってくるかもしれません。いわばバーチャル握手のようなものです。また、プレゼンは聴衆との対話・言葉のキャッチボールであり、会場にいる一人ひとりとの対話の積み重ねと考えて臨むのがよいです。問いかけや質問を通して、「聞き手を巻き込む」ことで、ぐっとライブ感、一体感が高まります。

✖ デジタル化が進み、通信ネットワークは重要な社会インフラとなります。
〇 みなさん、在宅勤務で困ったことはありますか?
  通信環境が悪く、つながらない経験もありましたよね?
  デジタル時代において、通信ネットワークインフラは社会の大黒柱です。

プレゼン冒頭のパターン

飽きやすい現代人の心をつなぎとめておくには、「楽しませる」「驚かせる」「夢中にさせる」つかみをプレゼン全体にちりばめていく工夫が必要になります。その代表的なパターンは5つあります。

①ユーモア:会場が爆笑の渦に

おはようございます。気分はいかがですか?
素晴らしいですよね。私はすべてに圧倒されています。
だから、そろそろ帰ります。

②サプライズ:想定外は鮮烈に記憶に残る

悲しいことですが、私が話すこの18分の間に
4人のアメリカ人が彼らの食が原因で死ぬことになります。

③ストーリー:エピソードで聴衆との距離を縮める

さて、この話から始めましょう。
2年前、イベントプランナーが電話してきました。
彼女は電話口で言いました・・・。

④質問:最もメジャーな方法

物事がうまくいかなかった時、どう説明しますか?
誰かが常識を超越したことを成し遂げたときどう説明しますか?

⑤告白:面白いつかみになる

最初に告白させてください。
20年ほど前にしたあることを私は後悔しています。

声と表情と視線について

声の工夫

有名なメラビアンの法則では、「人は見た目が9割」とありますが、「見た目が5割」「声で4割」「言葉が1割」とのことです。声はその人そのものなのです。声を魅せる為のポイントは下記です。

・大事なポイントは「メリハリ」と「変化」
・キーワードはゆっくりと話す
・滑舌よりも「声の深みと個性」
・低い声は威厳と落ち着き、高い声は親しみと若々しさを想起させる

声の高さコントロールは、またテクニックが必要なようですが、頭のてっぺんに意識をやると高くなり、おへそを意識すると低くなるそうです。声の特性を理解した上で、訓練を繰り返し、声をコントロールできるようにすることが大事です。

表情やしぐさの工夫

人間には25万通りの表情があり、ネゴシエーションの60~80%はボディランゲージに影響を受けるといわれているそうです。そしてリモート会議では、「アイコンタクト」や「声が重なる、ずれる」等の要因で、リアル会議と比べると25%話す機会が減るということが言われています。そういったリモート会議においてはYouTuberを参考にするとよいかと思います。聴覚と視覚の両方をお刺激することで、直感的に理解し記憶してもらうのです。

【参考したいポイント・工夫】
・豊かな表情
・大げさな動き
・現物をみせて興味を引く
・効果音・リモートツールの機能を使う

視線の工夫

たった一つかえるのであればアイコンタクトです。このアイコンタクトにおいて、日本人は欧米人に比べ、その頻度が違うそうです。またアイコンタクト方法は下記を意識するとよいそうです。また目を合わせることに緊張感を覚える人は、、相手の眉毛の間を見る形でもOKです。

【アイコンタクトはキャッチボール方式】
順番に聴衆の一人とキャッチボールしていくように、聴衆一人ひとりと目線を交わしていきます。まるで会話をしているかのようにアイコンタクトをしていくのです。(話しかけていくのです。)

【アイコンタクトを意識した方がいい4つの場面】
・冒頭の30秒
・情報が少なく読み上げなくてもよいスライド
・強調したいメッセージや言葉
・「さて」等の接続語を使って、場面を転換したい時

カリスマリーダーの魅せ方

自信満々に話をすることが、話しの内容に説得力を持たせ、印象を上げます。この自信については、話す人の「思い込み」にすぎません。「自信があるフリをする」ことでが効果的と、本書では説いています。その上で、何点かのポイントを押さえて話をすることで、「カリスマオーラ」をマントのようにまとうことができるそうです。

カタチを変えれば、自信はあとからついてくる

カタチから変えていこうとするとき、大事なのがボディランゲージです。「体格がいい=生存能力、戦闘能力が高い」という無意識の偏見があるそうで、しっかりと胸を張り、「パーソナルスペース」をとって大きくふるまうことがとても大切とされています。まずは「強いカタチ」を整えることで、「強いココロ」もついてくるということです。

ポーズの例

✖ 両手を股間の前で重ねる格好=不安を隠している
〇 背筋を伸ばし、広げた肩から両脇に手を落とした状態
〇 両手をおへその上で組む
〇 肩幅ほどに足を広げ、鳥居のようにしっかりと立つ

語尾を意識する

日本人は棒読みタイプのプレゼンが多いそうで、冗長な文語調のプレゼンが、悪影響や眠気を誘う要因になっています。下記の例を意識して、語尾を意識して話をすると、説得力や印象が上がります。

意識するポイント

【周りくどい言い方をシンプルに修正】
✖ 強化を講じることといたしました。
〇 強化いたします。
【思いますを言い切りに修正】
✖ ご協力を改めてお願いいたしたいと思います。
〇 ご協力を改めてお願いします。

その他の工夫

・一字一句を原稿に起こすより、箇条書きで伝えておきたい「キーワード」をまとめる
・言葉の意味を考えて、どんな「思い」を伝えたいのか整理する。
・「えー」「あのー」といった間を埋める言葉を使わず、一コマ置いてみる
・何度も何度も練習する

本を読んでみて

一つ一つのルールは当たり前なことを言っているだけと感じるかもしれませんが、こういったエッセンスを、きちんと明文化して、体系的に整理できている方は、ほぼいないと思います。こういった理論・ロジックがあって、プレゼンの質が上がっていくということをキチンと整理できれば、不安な時には、この内容を振り返りながら、自分のプレゼン戦略を考えることができます。頭の回転がはやく、即興で何でもできる人には不要かもしれませんが、私のような凡庸な人間には非常に有益な本でした。買って読むともっと細かい内容やエビデンスが書かれております。また特別付録も参考になりました。ぜひ買って読んで見てはいかがでしょうか?

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