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子供の学力を伸ばしたい親にオススメの本 ~「学力」の経済学の要約と感想~

目次

「学力」の経済学は、子育てのモヤモヤ感を解消してくれます!

少し時間ができたので、前から読みたかった「学力」の経済学を読んでみました。子育てはゴールが人それぞれで、またゴールへの最短距離も、それぞれの環境によって異なります。

正解がないので、毎日モヤモヤすることが多かったです。結局は、親がどれだけ努力をしたか、想いを込めたかという、感情論や自己満足になってしまうこともしばしば。

そんな中、本書を読んでよかったと思っています。右脳だけでなく左脳も使って子育てをすることが大事。客観的に考え、根拠を持って取り組む必要であると痛感しました。それにしても、子育ては考えれば考えるほど奥が深いですね。

よくある子育て本への批判

本書では、よく市販されている本やメディアに露出の多い「子育て体験記」なるものを批判しています。誰かの子育て成功事例は、あくまでも1人の例に過ぎず、万人にはあてはまらないというのが著者のスタンスです。

著者は、そういった個人的な「子育て体験記」より、膨大な数の子育て記録をまとめ、その子育ての結果から、統計的に判断される規則性に着目すべきと主張しています。

考えてみれば、日本は、科学的な根拠に基づいた教育が根づいていないと感じます。本書では、因果関係と相関関係の取り違いに着目をしています。

 例えば、「読書をするこどもは、学力が高い」ということは、学校やメディアでよく言われている常識です。しかし、

・学力が高いこどもが本を読むのかもしれない。
・親の意識が高い場合は、本を買い与え、勉強を促すかもしれない(第3要因) 

つまり2つの出来事について、因果関係があるのか、ただの相関関係かということをきちんと考える必要があるということです。世の中で言われていることに、右へならえではなく、きちんと実験をし、統計的に検証することが大事ということです。

こどもをご褒美でつってはいけないのか?

子供をご褒美でつることは、利にかなっており効果があると本書では肯定をしています。ただそのつり方について注意を喚起しています。

プロセスへのご褒美=成績良くなる
理由:何をすべきかが明確なため

結果へのご褒美=個別指導者の有無で変動
理由:何をすべきかが不明確で主体的に取り組めない

なるべく近い将来のプロセスへのご褒美
理由:モチベーションのアップ

本書は、ご褒美でつることが、勉強を楽しいと感じることができる子供を減らしてしまうのではないかという疑念についても、科学的に説明をしています。ご褒美は、勉強をする楽しい気持ちを阻害しないと結論づけています。

ただ、この部分においては、本の中でもう少し記述がほしかった、まあ、結果を出すと達成感もあるし、いいスパイラルに突入し、行動が習慣になるのだろうかと想像しました。

こどもをほめて育てるべきか?

「こどもをほめて育てるとよい」とよく言われているがその根拠はどこにあるのだろうか?一般的には、ほめ育てることが自己肯定感・自尊心を育み、結果、自分に自信を持ち、勉強をはじめ様々なことに挑戦できるようになるといわれている。

しかし、アメリカの科学的研究によると、ほめて育てて、自尊心が高まっても、学力は上がらず、反社会的行為は減らないとしています。また別の研究によると、自尊心や自己肯定感は、学力が高いという原因の結果であり、一般の定説とは逆であるとしています。

著者は、ほめることを否定しているのではなく、ほめる対象・ほめ方をポイントとしています。

「頭がいいね!」
理由:すべての結果が、能力に起因と考える。

「頑張ったね!」
理由:すべての結果は、頑張りに起因と考える。

つまり、何かを達成した際の”プロセス”について、ほめるべきとしています。当然、プロセスをほめると、こどもは新たな努力を生み出し、別の達成を繰り返します。そして学力が上がり、自尊心・自己肯定感が育まれるというわけです。

テレビやゲームはこどもの学力に悪影響を及ぼすか?

因果関係があるとは言えないとしています。テレビやゲームを1時間やめさせても、学習時間は2分しか増えないという統計データがあるそうです。

ただ、1日2時間以上テレビやゲームをすると悪影響が出始めるということでした。よく学校で、テレビやゲームは1日〇時間以内にしましょうとよく言われているが、これは、科学的根拠に基づいているのかもしれません。

勉強しなさい!は効果がない

著者は、親が一緒に勉強を見てあげて、時間をきっちり守らせることが、学習時間UPと学力向上に役立つとしています。また、お手軽な「勉強しなさい!」の言葉を振りかざすだけでは、効果がほとんどないとしています。どうりで、のび太は学力が低いのである。親の努力が足りていないということです。

付き合うお友達と学力との関係

著者は、平均的に学力が高い友達の中にいると、学力が上がり、レベルの高すぎるクラスにこどもを押し込めると逆効果があるとしています。

また、問題児との付き合いは、行動面で悪影響を与え、結果学力が落ちるとしており、問題児・悪友が近くにいるかいないかは、こどもの学力発達にとって重要な要素であると結論づけてます。

ここについては、悪友との付き合いが、たくましい精神力を養うことができるという考え方もあり、一概に悪いとは言えないのではとも思いますが、統計的には、このような結論がでているということでしょう。(問題児が少ない=学力が高い属性→学力が上がる→学力の高い学校に入学→反社会的リスク減少ということか)

教育にはいつ投資すべきか

結論としては、小さいうちに投資をした方が収益率が高いとしています。ここでいう投資方法は、学力直結の投資だけではなく、しつけ、体力等、学力以外の非認知能力を早期に育むための投資が特に重要としています。下記2つ非認知能力は、学力・社会的成功と因果関係があると著者は主張しています。

重要な非認知能力

①自制心(幼少期のマシュマロ実験と学力)
→継続鍛錬が学力UPにつながる。
②やり抜く力(才能やりぬく力)
→努力は良い結果につながると信じることが学力UPにつながる。

この、非認知能力への投資はとても重要です。たとえ学力が高い子供がいたとしても、就職をした後は、この非認知能力が試されることになるからです。そういった意味では、継続して部活をすることやボランティアをすることはとても重要なのかもしれません。

これからの子育てとの向き合い方

考えがまとまりませんな。やはりこういった論理的なことをきちんと理解した上で、子育て実践をすること。そしてその子育てに、親としての子供への想いや気持ちを乗せる。

これが、結果的には、子供の学力向上につながり、子供の将来の選択肢が広がり、子供が幸せに暮らせる可能性が高まるということでしょう。後悔しないように頑張ります。

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